正しい決断が、波風を立てるとき
正しい決断をしたはずなのに、かえって事態が悪化することがあります。
関係を修復しようとしたら余計にこじれた。
新しい挑戦を始めたら、大きな壁にぶつかった。
そんなとき、私たちは「選択を間違えたのだろうか」と自分を責めてしまいます。
でも、本当にそうでしょうか。
旧約の知恵:解放の前に起きる強烈な抵抗
「彼らに労働を重く課し、それに専念させよ。
偽りの言葉に心を向けさせるな。」
(出エジプト記 5:9)
モーセがイスラエルの民を解放しようとファラオ(王)に伝えた直後、起きたのは「状況の悪化」でした。
わらを与えられず、これまでと同じ数のレンガを作らされるという過酷な仕打ち。
自由へ向かう最初の出来事は、祝福ではなく「強烈な抵抗」だったのです。
科学的に見ると、変化には「摩擦」が伴う
心理学や行動科学には「消去バースト(Extinction Burst)」という概念があります。
悪い習慣を断ち切ろうとしたり、古いシステムを変えようとしたりするとき、一時的にその反発が以前よりも激しくなる現象です。
古いシステム(ファラオ)は、コントロールを失うまいと最後の抵抗をします。
つまり、状況の悪化は「失敗」ではなく、「変化が確実に起き始めているサイン」なのです。
愛と自由を選ぶ道は、無風ではない
愛を選ぶ道、自由を選ぶ道は、決して無風ではありません。
イエスもまた、愛と真理を語るほどに、古い体制からの強い抵抗を受けました。
古い鎖を引きちぎるとき、そこには必ず摩擦と痛みが伴います。
痛みが起きるのは、間違った方向に進んでいるからではなく、古い支配から抜け出そうとしているからなのです。
偉人の言葉
マハトマ・ガンジーは、変化のプロセスをこう表現しました。
最初は無視され、次に笑われ、次に挑まれ、そしてあなたが勝つ。
「挑まれる(抵抗される)」時期は、勝利と解放のすぐ手前にあります。
暗闇が一番深いのは、夜明けの直前です。
今日の小さな実践
もし今、正しいと思う道を進んで壁にぶつかっているなら、こう問いかけてみてください。
「これは私の失敗だろうか。それとも、古い鎖の最後の抵抗だろうか。」
その問いが、あなたの歩みを止めない「岩」のような土台になります。